妙にシュールで、妙にかわいい。それが「ちいかわ いっしょにがんばろ!ダンボールウォッチ2」だ。
「ダンボールウォッチ」とはどんなガチャか——基本情報
「ちいかわ いっしょにがんばろ!ダンボールウォッチ2」は株式会社キタンクラブより2023年8月18日から全国のカプセルトイ売り場で順次発売された。価格は1回500円(税込)で全5種。
サイズは約50mm。素材はPVC・ABS。ボタン電池SR626SW×1個使用で、テスト用電池が同梱されている。
時計部分は小さいながら高機能で、底面のボタン操作で日付や秒の表示に切り替えが可能。電池交換もできるため長く楽しめる設計になっている。
コンセプトはシリーズ名にもある「いっしょにがんばろ」という言葉に集約されている。お仕事中やお勉強中のデスクに置いておくことで、ちいかわたちと「同じ空間で頑張っている感」が生まれる。これは飾り置き型のフィギュアとも、キーホルダー系グッズとも異なる、実用と愛着が混ざり合った独自のポジションだ。
全5種の中身と、原作との接点を解説
ラインナップは「ちいかわ(労働)・ハチワレ(やりたいことリスト)・うさぎ(お絵かき)・シーサー(お酒の資格)・モモンガ(うまみ)」の全5種だ。
各種のカッコ内のキーワードが面白い。これがちいかわという作品の解像度を反映している。
ちいかわ(労働) ちいかわといえば「草むしり」などの労働が象徴的なシーンとして繰り返し描かれる。「何かを一生懸命やっている」という姿がちいかわの本質で、そこを段ボールの机に凝縮したのがこの種。デスクに置いた時に「ああ、ちいかわも働いてる」という妙な連帯感が生まれる。
ハチワレ(やりたいことリスト) リストを書いている姿がハチワレらしい、どこかマメで几帳面な側面を体現している。やりたいことが多くて手が追いつかないような表情と、手元のリストを見比べた時の納得感がある。自分のデスクに「やることが溢れているキャラ」を置くのも、ある種の共感だろう。
うさぎ(お絵かき) うさぎは漫画の中でも独自の世界観を持って動くキャラクターで、絵を描いている姿はその自由な感性を象徴している。5種の中で最も「のびのびと楽しんでいる」空気があり、見ているだけで気持ちがほぐれてくる。
シーサー(お酒の資格) このラインナップで一番「え?」となるのが、シーサーのお酒の資格だ。これは原作漫画でシーサーが酒類の資格に真剣に取り組んでいるシーンに由来していて、知っている人には「あのシーンがついにグッズに」という喜びがある。知らない人には「シーサーがお酒の勉強をしているの?」という興味のきっかけになる。どちらにとっても引きの強いキャラだ。
モモンガ(うまみ) 「うまみ」というキーワードがちいかわファンの間では定番のネタとして定着している。食べることへの純粋な喜びを表現したシーンが元になっており、このテーマが置き時計のキャラとして選ばれたこと自体がファンには刺さる。第1弾にはいなかったモモンガが今作から加わったことも、このシリーズの幅が広がった証だ。
機能面の話——500円ガチャが本物の時計であること
ガチャの相場として500円というのはやや高めのゾーンだ。それでも納得できるのは、文字通り「時計として機能する」から。
本体はボリュームたっぷりで存在感があり、電池交換可能で長く楽しめるのも嬉しいポイント、と公式も説明している。
実際に手にしたユーザーからも、「ちっちゃいのによくできています」という声が届いており、このサイズに時計機能を詰め込んだ完成度への驚きが共通している。
全高約45〜50mmというのは、一般的な単三電池よりも小さいくらいの感覚だ。その中に段ボール箱のデザイン、キャラクターの造形、デジタル時計の表示パネル、電池ボックスが収まっている。並べて初めて「え、これが全部入っているの?」という感覚になる。
日付や秒の表示切り替えができる点も見逃せない。単純に時刻だけを表示する置き時計ではなく、デスク上の小型ガジェットとして機能する。毎朝の時間確認のルーティンに、ちいかわが加わる。その繰り返しの中で、自然と愛着が生まれていく仕組みになっている。
第1弾・第3弾との違い——シリーズを横断して見えてくるもの
「第2弾」を語る上で、前後のシリーズとの比較は外せない。
第1弾(2022年)はちいかわ・ハチワレ・うさぎ・くりまんじゅうの4種構成で、まずシリーズの基本形を作った段階だった。今作の第2弾では5種に増加し、かつシーサーとモモンガという新キャラが参入した。
第3弾になるとラインナップはさらに変わり、「ちいかわ(ブロッコリー)・ハチワレ(ほめられリボン)・うさぎ(ヤハ!)・くりまんじゅう(ビール)・ラッコ(プリン)」という構成になっている。
シリーズ全体を通じて見えてくるのは、「その弾だけの空気感」がある、ということだ。第2弾は「まじめに取り組んでいる姿」が中心で、シーサーの資格取得、ちいかわの労働、ハチワレのリスト作りと、全員が何かに向き合っている。それが5種並んだ時に「みんなそれぞれ頑張ってる」という温度感を作る。
3弾のラッコのプリンや、うさぎの「ヤハ!」といった弾けた方向性と比べると、第2弾はある意味で最も「労働感」のある回かもしれない。そこが、働く人間の共感を呼びやすかった理由でもあると思う。
ガチャとしての難易度——コンプに何回かかる?
5種ランダムのカプセルトイにおいて、全種コンプリートを目指す時の確率の話は避けて通れない。
5種均等封入と仮定した場合、全種を揃えるのに必要な期待回数は数学的には約11.4回とされている。実際のガチャではロットによって偏りが出るため、10回回しても2種ダブりが続く場合もあれば、運よく7〜8回でコンプできるケースもある。
SNSでの声を見ると「始めモモンガが連続で出て焦ったけど、その後はかぶることなくコンプできた」という体験談もあれば、「1回だけ回したらハチワレちゃんでした」という声もある。
運の要素が強い分、「欲しいキャラが1種だけ決まっている」という人には、ガチャを何度も回すよりフリマでの単品購入の方が合理的だ。逆に「コンプ体験も込みで楽しみたい」なら、ガチャ機の前でドキドキする時間ごと楽しめる。どちらのスタイルを選ぶかで、コストも体験も変わってくる。
再販情報と入手ルートまとめ
第1弾・第2弾は2024年7月19日より再販されており、2022年と2023年に発売した大人気商品が同時に手に入るチャンスとなった。
再販が行われたという事実は重要で、「もう手に入らないかも」という心配を和らげてくれる。ただし再販のタイミングは予告なく決まることが多く、常にリアルタイムで追えるわけではない。キタンクラブ公式X(@kitan_club)をフォローしておくと再販告知を逃しにくい。
ガチャ機での入手については、キタンクラブの商品はgashacoco(ガシャココ)・ガシャポンのデパートに設置されていることが多い。アニメイトなどのアニメショップでも扱われるケースがある。
通販・フリマでの入手については、5種フルコンプセット(税込2,500円分)の定価相当が基準で、フリマでは2,000〜3,500円前後で出品が見られる。単品では500〜800円(送料込み)が相場感として参考になる。シーサーとモモンガは第2弾での初登場ということもあって、需要が高い傾向がある。
飾り方と活用法—机の上の「同僚」として
このガチャを購入した人の多くが、デスク上に置くことを前提にしている。実際に使える時計であることが、「飾る」から「置く」という意識の違いを生んでいる。
全5種を机に並べると、それぞれが違う「作業」に取り組んでいて、小さな仕事場みたいな景色が生まれる。ちいかわが労働し、ハチワレがリストを書き、うさぎが絵を描き、シーサーが資格の勉強をし、モモンガがうまみを堪能している——その全員がそれぞれのペースで自分の仕事をしているような空気感が、並べた時に完成する。
1種だけ置く場合は「自分がその日頑張りたいことに合わせて変える」という遊び方もできる。今日は試験勉強だからシーサーにする、今日は創作だからうさぎにする、という形で毎日の相棒を替える。時計として実用しながら、選ぶという楽しみも残る。
職場のデスクに置いている人も多く、「ちいかわ好きですか?」という会話のきっかけになったというレビューも散見される。一見するとちょっとしたミニチュアだが、近づくと時間が表示されていてびっくりする、というリアクションが新鮮らしい。
時間を確認するたびに、ちいかわがそこにいる
「ちいかわ いっしょにがんばろ!ダンボールウォッチ2」が他のガチャと一線を画すのは、コレクションとしての価値と日常の実用性を同時に持っているからだ。
500円のカプセルから出てきた約50mmの置き時計が、毎日の仕事やお勉強の傍らで時を刻む。その積み重ねの中で、なんとなくちいかわたちとの距離が縮まっていくような感覚がある。
シーサーがお酒の資格に取り組んでいる。モモンガがうまみを探求している。ハチワレのやりたいことリストはまだ終わっていない。そのことを、デスクの端にある小さな時計が毎日思い出させてくれる。
これは実用グッズでありながら、ちいかわの世界を少しだけ日常に引き込む装置でもある。そう考えると、500円という価格の見え方が変わってくるかもしれない。

