12弾まで続く、この「まさかの継続力」が好きだ
ガチャガチャの棚を歩いていると、ふと筐体の横に貼られたポップが目に入った。「まさかの12セット目に突入!」。思わず笑ってしまった。まさか、という言葉を自らポップに載せるあたり、バンダイもちゃんとわかってやっている。
どうぶつサウナシリーズは、「どうぶつ界でもサウナが流行中!?サウナでまったり疲れを癒すどうぶつ達」をコンセプトにしたガシャポンシリーズだ。発売は2024年10月、第12弾でもまだ300円という価格を守っている。その一点だけでも、ガチャガチャ好きとしては頭が下がる。
どうぶつサウナ12の全ラインナップ
どうぶつサウナ12は2024年10月第5週に発売。価格は300円で全5種。
ラインナップは熊、キリン、アザラシ、ヤマビスカッチャ、ネコの全5種だ。
熊(熱波師)
人気の熱波師がラインナップに含まれている。熱波師とはサウナで客に向けてタオルなどを振り、熱波を送る専門家のことで、サウナ文化の中でも特別な存在だ。熊が熱波師をやっているというビジュアルは、想像しただけで笑えるし、なぜかぴったりはまっている。熊の大きな体とサウナという組み合わせのシュールさが、このシリーズ全体のトーンを象徴している。
キリン
首が長いキリンがサウナに入っている。それだけでどんなポーズになっているのか気になる。小さなフィギュアの中に首の長さをどう収めるかという造形の工夫が見どころで、どうぶつサウナシリーズは動物の体型の特徴をサウナという状況に当てはめたときの「ずれ」が面白さの核心にある。
アザラシ
アザラシはシリーズを通じて何度か登場している常連組で、10弾にも収録されていた。横たわったり、ぐったりしたりする様子が得意な動物で、サウナで脱力した表情を再現しやすいのだと思う。12弾のアザラシがどんな気持ちよさそうな顔をしているか、手に取ったときのお楽しみだ。
ヤマビスカッチャ
このシリーズの面白さが集約されているのがこのラインナップだ。ヤマビスカッチャはチンチラに似た南米のげっ歯類で、まるっとした体型と大きな耳が特徴の動物だ。「どうぶつサウナに来るとは思っていなかった動物」という意外性が、このシリーズが12弾まで続けてこられた理由の一つでもある。カピバラ、ビスカッチャといった独特の選球眼が光る。
ネコ
ネコはシリーズの皆勤賞に近い存在で、弾を重ねるたびに異なるポーズや表情で登場している。毎弾ラインナップに入ることへの批判もなく、むしろ「今弾のネコはどんな顔してるか」という確認作業が楽しみになっている人も多い。
第1弾から12弾まで、シリーズの歩み
第1弾は、パンダ、シロクマ、パグ、レッサーパンダ、柴犬の全5種。パンダとシロクマは全長約43mmのビッグサイズで登場した。
ここから始まったシリーズが、12弾まで続いている。累計60種類以上の動物たちがサウナに入ってきたことになる。途中で6種構成の弾もあり、第8弾は全6種で展開された。
歴代の登場動物を眺めると、ゾウ(3弾)、カピバラ(7弾)、オコジョ(10弾)、モグラ(10弾)など、選択の振れ幅が独特だ。「なぜこれを選んだのか」という問いに対して、「サウナが似合いそうだから」という答えが成立してしまうのがこのシリーズの強みだ。
カピバラは温泉に浸かっている様子で知られる動物で、サウナとの親和性が高く、7弾での登場は特に反応が大きかった。現在も中古市場で単品として流通しており、一定の人気を保っている。
どうぶつサウナセットというミニチュア展開
どうぶつサウナシリーズには、フィギュア本体に加えて、専用ミニチュアセットという別商品も存在している。
どうぶつサウナ専用のミニチュアの第2弾が登場しており、外気浴にピッタリの椅子やサウナ室のベンチなど、集めれば自分だけのサウナ室が作れる設計になっている。
このサウナセットを使えば、フィギュアをベンチに座らせたり、外気浴の椅子に置いたりして「サウナ風景」を再現できる。フィギュア単体で飾るよりもぐっと世界観が広がる。ガチャガチャで集めたどうぶつたちを、自分で作ったミニチュアサウナに配置していく楽しさは、コレクターとしての心をくすぐる。
300円という価格と、このシリーズの誠実さ
12弾まで続いて、なお300円を維持している。2024年にガチャガチャ全体で500円・600円への値上がりが進む中で、300円はもはや希少な価格帯だ。
これだけ長く続けられる理由は明快で、コンセプトが揺るがないからだ。「動物がサウナに入っている」という一文で全てが説明できるシンプルさ。それでいて、どの動物を選ぶかという編集のセンスが毎弾機能している。カピバラが来た弾はカピバラの話題で盛り上がり、ヤマビスカッチャが来た弾はヤマビスカッチャを知らない人が検索する。その検索行動がまたシリーズへの興味につながっていく。
どうぶつサウナ12の入手方法
2024年10月第5週発売のどうぶつサウナ12は、300円・全5種・対象年齢15才以上という仕様で、バンダイガシャポン扱いの商品だ。
現在は発売から時間が経っているため、全国の筐体で常時見つかるとは限らない。バンダイガシャポン公式サイトの「ガシャポンどこ?」で通信機能付き筐体の設置店舗を確認してから向かうのが確実だ。
通販ではAmazon・楽天・ヤフーショッピングでフルコンプセットが1,980円前後で流通している。単品ではトイサンタなどの専門店で458円前後から購入できる。ヤマビスカッチャは他と比べてやや需要が高い傾向があり、単品での流通価格が上振れることがある。
フリマアプリでも「どうぶつサウナ12」で検索すると複数の出品が見つかる。全種揃えるならフルコンプセットをまとめて買うのが、個別に探し回るより手間がかからない。
50代のガチャ好きとどうぶつサウナ
サウナブームが本格化したのが2010年代後半で、「ととのう」という言葉がガチャガチャの商品コンセプトに使われるほど文化として定着した。動物をサウナに入れるというアイデアは、そのブームを茶化しているようでいて、動物への愛着とサウナへの共感が重なる場所を巧みについている。
熊の熱波師を手に持ったとき、「このくまはちゃんと仕事してるな」と思った。サウナで疲れを癒やしているはずなのに、熱波師として働いている。そのちょっとしたズレが、笑いと愛着の両方を生んでいる。
ガチャガチャでこういう商品に出会うと、300円という重さのコインを入れて回す行為が、ちゃんと報われた気持ちになる。12弾まで続いていることが何より、それを証明している。

